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『働き方改革』で実施される8つの見直し

働き改革は少子高齢化への対応策

政府が、働き方改革実施計画をまとめたのは2017年3月のことでした。そして、2年後の2019年4月から、順次計画の実施が始まっています。
そもそも働き方改革が検討された背景を振り返ると、日本の人口問題にたどり着きます。
少子化にともなう人口減少が顕在化し、2010年の1億2800万人をピークに減少に転じ、2018年時点で1億2600万人と、毎年約20万人の人口が減り続けています。
政府は、今後も人口は減り続け、2030年では1億1900万人、2040年では1億1000万人、
そして30年後の2050年には1億100万人と、今後30年で約20%もの人口が減少すると予測しています。
さらに、追い打ちをかけるように高齢化も加速して進行することが見込まれています。
65歳以上の年金受給者層の人口比率(高齢化率)は、2013年に約25%で4人に1人、2035年に約33%で3人に1人、
そして2060年には約50%で2人に1人が高齢者になると予測されています。
少子高齢化に伴って、日本経済を支えていく労働人口も当然に、それも急速に減少します。
総労働力が減る以上、これまでどおりの経済活動は物理的に不可能となります。人口減少に合わせた形に作り変えていかなければなりません。
こんな背景があって働き方改革が検討されたのです。

関連リンク 内閣府高齢化白書

 

働き方改革 8つの見直し

働き方改革では8つの見直しが行われますが、その根底で共通する考えは、次の通りです。
①労働生産性を向上させること(だらだら仕事しないで、短時間に集中して効率を上げよう)

 ②労働参加率を向上させること(本当は働きたいのに事情があって働けない、という人でも働ける環境をつくろう)

人口を増やす(または維持する)ことが難しい以上、人口減少を受け入れ、それでも経済活動の質を維持させるという考え方です。
具体的には次の8つの見直しが行われます。

 1.残業時間の上限規制(罰則付き)

 2.勤務間インターバル制度の導入促進

 3.5日間の有給休暇取得の義務化(罰則付き)

 4.月間60時間超の残業への、割増賃金率引き上げ(中小企業への適用猶予廃止)

 5.産業医の機能強化と労働者への健康配慮義務強化

 6.フレックスタイム制の拡充

 7.高度プロフェッショナル制度の創設

 8.同一労働同一賃金の原則適用

それぞれの見直しの根底には、①労働時間は短縮するけれども仕事の質は落としたくない、
②多様化する働き方を尊重し、働きやすい環境を整えて仕事と生活の調和(WLB)を図り、潜在的な労働者を掘り起こしたい、
という意図が見えませんか?
これら8つの見直しは、2019年4月から順次実施されています。
何も大企業ばかりが対象ではありません、一部に実施時期のズレはありますが、原則としてすべての企業が対象となります。
うちは中小企業だから関係ない、は残念ながら通じないのです。

 

働き方の発想を転換しよう

働き方改革実施計画には、こう書いてあります。

働き方改革は、日本の企業文化、日本人のライフスタイル、日本の働くことに対する考え方そのものに手を付けていく改革である。

これを機に、今までの既成概念にとらわれず、企業活動をも足元から見直してください、という政府のメッセージだです。
次回から、8つの見直しについて、更に詳しい解説を行っていきます。

 

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