第一条 (労働条件の原則)
1 労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない。
2 この法律で定める労働条件の基準は最低のものであるから、労働関係の当事者は、この基準を理由として労働条件を低下させてはならないことはもとより、その向上を図るように努めなければならない。
(条文解説)
第1項の意味は、憲法25条第1項「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」を、労働法に当てはめて具体例化したものです。
第2項の意味は、「労働基準法で2条以下に定めている労働条件は、最低基準として定めたものであるので、労働基準法に定めてあることを理由として、労働条件を低下させてはならない。」という事です。具体的にいうならば、就業規則や雇用契約書で定めた労働条件について、仮にそれが労働基準法を上回る条件だったからという理由で条件を低下させてはならない、という意味になります。ただし、経済的な理由などその他の合理的な理由がある場合は低下させることは可能とされます。