労務相談Q&A フレックスタイム制と割増賃金

Q:清算期間1か月のフレックスタイム制を採用して、週休2日制(所定休日は土日)としています。土曜日出勤した場合でも、土曜出勤日の労働時間は月の総労働時間に含めて集計しその段階では割増賃金は計算せず、月の総労働時間が当月の法定労働時間を超過した分に対して、割増賃金を支給しています。所定休日に出勤した段階で割増賃金を支給しなければならないのでしょうか?

A:フレックスタイム制の労働時間管理は、特定の日に所定労働時間を超えても、その時点では直ちに残業代は発生しません。清算期間内(ここでは1か月)の総労働時間が「法定労働時間の総枠」を超過したときに、初めて時間外労働となり、割増賃金の支払いが必要です。よって、特定の日に所定労働時間を超えても、その時点では直ちに残業代は発生しません。

休日労働の考え方ですが、一方、もし土曜日が会社の定める「法定休日」であるなら、その日に出勤させた分は、その時点で「休日労働」となり、休日割増賃金(3割5分以上)を支払う必要があります。「所定休日(土日)」に出勤させたとしても、法定休日(週1日付与すべき休日、労基法35条)でなければ、労基法上は「休日労働」にはあたりません。土曜が「法定休日」に指定されていない場合、土曜出勤分は単に清算期間の労働時間として加算されるにとどまり、当月の総労働時間が所定総労働時間を超過したときに初めて時間外割増の対象となります。