労務相談Q&A 休業日に得た副業収入と休業手当

Q:災害により取引先が被災したため、その影響により当社の業務量を落とさざるを得ず、休業を実施をすることになりました。社員の中には休業中に、副業として他社でアルバイトをする者があります。この場合、休業中に社員が得たアルバイト収入は休業手当に影響はあるでしょうか?

A:影響はありません、副業によるアルバイト収入があろうと休業手当は法定どおり支払う必要があります。
取引先が災害により被災し、その影響で自社が休業する場合、使用者の責に帰すべき事由による休業に該当し、休業手当を支給しなければなりません。(ex.自社が災害により被災し事業所や設備が使用できないため休業させる場合は、使用者の責に帰すべき事由による休業には該当せず、休業手当は不要です)
民法536条2項では、「自己の債務を免れたことによって利益を得たときは、債権者に返還しなければならない」としています。自社から休業手当を得て、さらに副業で他社から賃金を得ることは、二重に所得を得ていることになります。この場合、債権者(使用者)が労務を受領しなかった時間を使って、債務者(労働者)が就労して収入を得た場合、利益を償還すべきかどうかが問題になりますが、裁判所は平均賃金の6割までの部分については償還の対象とすることを認めませんでした。