東京・上野労働基準監督署は、有効な36協定がないままの時間外・休日労働の増加に危機感を抱き、監督指導を強化しています。令和3年からの届出書押印・署名廃止や電子申請の普及により、特に中小企業で、協定届に押印・署名がなく実質的に“協定書なし”の状態が増加 。また、休日労働の始業・終業時刻が実態と異なる記載など、36協定の形骸化が顕著です 。
労基署は、臨検時に36協定の有効性(代表者選出方法、押印の有無など)を厳しくチェック 。建設業など上限規制適用業種では、特別条項付き協定で、産業医がいないのに「医師面接指導」と記載するなど、見本通り作成した結果、実態と乖離し違反につながるケースが散見されます 。労基署は、事業場の実態に即した36協定の締結と、毎年見直すことの重要性を呼びかけています 。
(出典)労働新聞記事2025年7月31日