遺族補償年金 男女差解消を提言 「合理的理由ない」と 厚労省労災研究会・中間報告

厚生労働省の研究会が、労災保険制度の見直しに関する中間報告書をまとめました。主な提言は、遺族補償年金における夫と妻の受給要件の差を解消すべきだという点です。現行制度では、妻は年齢に関わらず受給できる一方、夫は妻の死亡時に55歳以上などの要件があり、これが不合理だと指摘しました。夫の受給要件を撤廃する意見が大半を占め、法の下の平等の観点から是正が求められています。また、労災発生状況に応じて保険料率が変わる「メリット制」については、一定の災害防止効果や事業主の負担公平性から意義が認められるとし、存続させることが妥当と結論付けました。このほか、小規模な農林水産業への労災保険の強制適用に向けた検討や、特別支給金を審査請求の対象とすることなども提言されました。これらの提言は、今後、労働政策審議会で議論されることになります。

(出典)労働新聞2025年8月7日記事
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