2025年度規制改革要望② ~経団連~

経団連が提案する2025年度規制改革要望の一部を紹介します。

暦日休日規制の緩和

現状の課題
鉄道のメンテナンス工事は、列車の運行がない夜間(例:22時~6時)に行う必要があり、日をまたいで勤務するのが通常です。しかし、現行の労働基準法では、休日は暦日(0時から24時まで)で与えることが原則とされています。このため、夜間勤務の労働者に1日の暦日休日を与えると、前後の勤務と合わせて実質的に2回分の作業ができなくなり、業務に大きな支障が出ています。また、鉄道メンテナンスの作業員は、安全運行に関する専門知識や経験、資格が必須であり、他の建設業に比べて人材の確保が非常に困難です。このため、限られた人員で鉄道の安全を維持しつつ、労働者の休日を確保するというジレンマを抱えています。

提案内容
上記の問題を解決するため、鉄道のメンテナンス事業に従事する労働者については、休日の与え方を以下のように変更することを提案します。
提案: 暦日での休日ではなく、「継続した33時間以上の休息」をもって休日と認める。
 この提案の根拠として、以下の点を挙げています。
 1.他業種での例外: 旅館業や自動車運転業では、すでに暦日でない休日が認められています。特に自動車運転業では「継続33時間の休息」が休日とされており、鉄道メンテナンス事業でも同等以上の休息時間を確保できます。
 2.労働時間の比較: 鉄道メンテナンスの1回の拘束時間は約8時間であり、自動車運転業の1日の上限である13時間よりも大幅に短いです。この点からも、同様の例外を認めることは妥当であると主張しています。

    この変更により、作業効率を維持しつつ、労働者に「4週8休」のような魅力的で十分な休日を確保しやすくなるという効果が期待されます。

    経団連 2025年規制改革要望(2025年9月16日)