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国民年金の仕組み16_併給調整①

1人1年金の原則とは

仮に障害のため障害年金の受給権を持ち、既に受給者となっている方が、老齢年金の受給資格を取得して、2つの年金の受給権を取得することはあり得ることです。年金とは、3つの支給事由(老齢、遺族、障害)に基づき、国民の生活保障のために支給される給付ですが、複数の受給権を取得した場合に両方とも支給されることはありません。これを「1人1年金の原則」といい、当事者は自己の選択により1つの年金給付を指定しなければなりません。

新たに取得した年金受給権も請求手続きを

既に年金受給権があり、年金を受給している場合に、後で新たな年金受給権を取得する場合があります。そんな時、既に受給しているからと言って、新たに得られた年金受給権を放置せず、必ず請求手続きはするようにしてください。1人1年金の原則により、異なる事由の年金が併給されることはありませんが、仮に先行する年金の受給権を喪失した場合には、後行の年金受給権に変更することにより引き続き受給が継続されるからです。お忘れなく手続きしてください。

同一の支給事由による併給は可能

公的年金では、1人1年金の原則により、国民年金、厚生年金、共済組合等から、2以上の年金受給権を取得したとしても、どれか1つの年金を選択して受給することになります。その場合、選択しなかった年金の受給権は「停止」状態となります。ただし、基礎年金(1階部分)として全国民に支払われる国民年金に対し、厚生年金、共済組合等は、被用者が加入する上乗せ(2階部分)であるため、支給事由が同じ(老齢、遺族、障害)であれば、1つの年金とみなされ、合わせて受給することができます

異なる支給事由による併給は不可能(原則)

1人1年金の原則により、異なる支給事由に基づく年金受給権は、そのうち1つを選択受給することになり併給されることはありません。これが原則的な処理となります。

併給調整される年金の組合せ(一例)

老齢年金と遺族年金

老齢基礎年金 + 遺族基礎礎年金
特別支給の老齢厚生年金 + 遺族基礎年金 

遺族年金と障害年金

遺族基礎年金 + 障害基礎年金
遺族厚生年金 + 障害厚生年金

障害年金と老齢年金

障害基礎年金 + 老齢基礎年金
障害基礎年金 + 特別支給の老齢厚生年金
⇒これまで障害基礎年金(障害厚生年金)を受けていた者が、60歳代前半の特別支給の老齢厚生年金を受けることができる場合、
 障害給付と老齢給付は選択しなければならなくなります。

被保険者の違う遺族年金

父の死亡による遺族基礎年金 + 母の死亡による遺族基礎年金 

異なる支給事由による併給が可能なケース(例外)

異なる支給事由であっても、例外的に併給が可能となるケースがあります。

老齢基礎年金と遺族厚生年金

65歳以上で老齢基礎年金を受給する者が、遺族厚生年金を受給できるようになった場合、併給することが可能です。

老齢厚生年金と遺族厚生年金

65歳以上で既に自身の老齢厚生年金を受給する者が、配偶者の死亡により新たに遺族厚生年金の受給権を得た場合、ケースによっては
老齢厚生年金と遺族厚生年金が併給されることがあります。

①併給可能なケース
 遺族厚生年金の額が、老齢厚生年金の額より高い場合は、遺族厚生年金額ー老齢厚生年金額(差額)が、老齢厚生年金に加算されて支給されます。
(補足)遺族厚生年金の額とは、死亡者の老齢厚生年金額(報酬比例部分)の4分の3の額となります。
よって、自身の老齢厚生年金額よりも死亡者の老齢厚生年金額が高いケースでは差額が併給されることが予想されます。

 

丈くらべ(65歳以上の配偶者が受ける遺族厚生年金)

65歳以上の配偶者が受ける遺族厚生年金の額決定にあたっては、遺族厚生年金の額は次のAまたはBいずれかの高い額となります。

A 遺族厚生年金額(死亡者の老齢厚生年金額(報酬比例部分)の4分の3)
B 遺族厚生年金額(死亡者の老齢厚生年金額(報酬比例部分)の4分の3)の3分の2 + 自身の老齢厚生年金額の2分の1

計算がいちいち面倒ですね。。。複雑すぎる

②併給不可能なケース
遺族厚生年金の額が、老齢厚生年金の額より低い場合は、差額加算部分がありませんから併給はありません。
この場合、遺族厚生年金への選択替えも意味がありませんので(選択した結果、年金受給額が減るため)、従前の老齢厚生年金のまま変更なしとなります。

老齢厚生年金と障害基礎年金

老齢基礎年金と老齢厚生年金(同一支給事由なので1年金扱いです)を受けている者が、障害基礎年金を受けられる時は、老齢基礎と障害基礎の基礎年金の併給はできません。しかし65歳以降に受ける本来支給の老齢厚生年金と障害基礎年金の組合せであれば併給することが可能です。
障害基礎年金を受給できる者が、障害厚生年金をも受給できる場合は、障害基礎年金と障害厚生年金(同一支給事由なので1年金扱いです)の組合せへの選択替えも可能です。

組合せとしてまとめると次の通りです。

・・・併給調整②に続く 

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