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障害年金の基礎知識⑥ 〜保険料納付要件〜

保険料納付要件

障害基礎年金の場合

国民年金の被保険者期間中に初診日がある場合か、または、被保険者だったことがあり国内に住所を有する60歳以上65歳未満の間に初診日がある場合は、一定の保険料納付要件を満たす必要があります。ただし、65歳の段階で年金受給資格期間の10年(平成29年8月から法改正により25年より10年に短縮)を満たさない場合、最大70歳まで国民年金に任意加入することが可能ですが、この任意加入中に初診日がある場合は、65歳以降であっても障害基礎年金を請求することができます。

障害厚生年金の場合

厚生年金の被保険者期間中に初診日がある場合、一定の保険料納付要件を満たす必要があります。

保険料納付要件の基本

まず、保険料納付要件を見る場合は、「初診日の前日」において見られることに注意が必要です。これは、障害年金の受給を念頭に、後追いで過去の未納分を納付する事などを防止するための措置とされています。
つまり初診日の前日時点で、きちんと保険料を納めて(あるいは免除申請をして)いること、未加入状態ではないことが要求されています。

次に、年金未加入期間は被保険者期間から除外されます。保険料の未納期間は、保険料納付済み期間には算入されませんが、被保険者期間には算入されますので注意してください。

次に、被保険者期間の起算点ですが、国民年金の場合は20歳到達月です。ただし20歳前に厚生年金の被保険者であった者は、当該20歳前の被保険者期間の開始時が起算点となります。被保険者期間の終点は、初診日の前日の時点で納付期限が到来している月、つまり初診日の属する月の前々月となります。国民年金では当月分の保険料の納付期限は翌月末、つまり初診日の前日の時点で納付期限が到来しているのは、初診日の属する月の前々月ということになります。

保険料納付済期間とは

障害年金の請求要件における「保険料納付済期間」とは、次のとおりとされています。
1.新法国民年金(昭和61年4月1日以降)の第1号被保険者期間、および旧法国民年金(昭和61年3月31日以前)の被保険者期間のうち、保険料を納付した期間(任意加入期間で保険料を納付した期間も含む)。
2.新法国民年金(昭和61年4月1日以降)の第2号被保険者期間。第2号被保険者期間である限り、20歳前の期間、60歳以降の期間も被保険者期間に含みますが、老齢基礎年金の受給権を持つ場合(65歳以上、および繰上げ請求により受給権を持つ場合)は除きます。
3.新法国民年金(昭和61年4月1日以降)の第3号被保険者期間。ただし65歳以降の厚生年金被保険者の被扶養配偶者期間は除きます。
4.昭和61年3月31日以前の被用者年金の加入期間。
5.初診日が65歳以降の厚生年金加入中である場合、被保険者期間は65歳到達月の前月までの被保険者期間とされます。それは、老齢基礎年金の受給権を得る65歳以降の被保険者期間は、国民年金の第2号被保険者とされないため、上記2に該当しないためです。

原則の保険料納付要件<3分の2要件>

初診日の前日において、初診日の属する月の前々月までに国民年金の被保険者期間があり、かつ当該被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間(学生納付特例、若年者納付猶予期間を含む)を合算した期間が、当該被保険者期間の3分の2以上あること。

留意すべき点

1.初診日の属する月の前々月が無い場合(例えば20歳になった月、または20歳になった月の翌月に初診日があるケースなど)は、保険料納付要件は要求されません。
2.いわゆる「カラ期間」は、被保険者期間には含めません。例えば、次の通りです。
・平成3年3月31日以前の学生であった期間(任意加入期間)、昭和61年3月31日以前の任意加入期間で、それぞれ任意加入しなかった期間。
・海外居住中で、任意加入しなかった期間。
3.60歳~65歳までに初診日がある場合、初診日の属する月の前々月までの全被保険者期間の月数をみます。
4.65歳以降の厚生年金被保険者期間に初診日がある場合で、老齢基礎年金の受給権を取得している者は、65歳以降の被保険者期間は算入しない。

特例の保険料納付要件<直近1年要件>

初診日が令和8年(2026年)4月1日以前にある傷病による障害については、初診日の前日において、初診日の属する月の前々月までの直近1年間に保険料納付済期間、保険料免除期間以外の被保険者期間が無いとき(未納期間が無いとき)は、保険料納付要件を満たすものとされます。

~その⑦に続く~

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