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11.52019
国民年金の仕組み13_障害基礎年金<受給要件>
目 次
障害基礎年金の受給要件【原則的な障害基礎年金】
障害基礎年金は、障害により日常生活に著しい制限を受ける者に対して、その生活を保障するために支給される年金です。
受給するためには次の要件①から③をすべて満たすことが必要です。
要件① 初診日要件
障害の原因となった病気やケガについて、初めて医師などの診察を受けた日を「初診日」と言います。
同一の病気やケガについて、いくつか転医した場合は、一番初めに医師などの診察を受けた日が「初診日」となります。
初診日においては、次の①②いずれかの状況であること。
①初診日において、国民年金の被保険者
②初診日において、国民年金の被保険者であった者であって、60歳以上65歳未満の日本国内の住所を有する者
要件② 障害認定日要件
障害の状態を定める日を「障害認定日」と言い、次のいずれかの日が該当します。
①初診日から起算して1年6か月が経過した日
②初診日から起算して1年6か月が経過した日までに、その傷病が治った時は、その治った日(※)
(※)治った日とは、障害の原因となった傷病の症状が固定して、治療の効果が期待できない状態になった日を含む
障害認定日において、障害等級1級または2級に該当する程度の障害の状態であること。
要件③ 保険料納付要件(※)
初診日の属する月の前々月までに被保険者期間がある場合は、初診日の前日において、次の①②のいずれかの要件を満たすこと。
保険料納付要件①<原則>
死亡日が含まれる月の前々月までの被保険者期間のうち、国民年金の①保険料納付済み期間(含む厚生年金保険の被保険者期間)、②保険料免除期間の合計が3分の2以上あること。
保険料納付要件②<例外>
死亡日が2026年(令和8年)4月1日前にある時は、死亡した者が65歳未満であれば、死亡日が含まれる月の前々月までの直近1年間に保険料の未納期間が無いこと。(保険料納付済み期間か保険料免除期間であること。)
(※)初診日の属する月の前々月までに被保険者期間がないものは上記の保険料納付要件は問われません。
要件③の例外 保険料納付要件を問われない場合
次のケースでは、保険料納付要件「初診日の属する月の前々月までに被保険者期間がある場合」に該当しないため、
保険料納付要件は問われません。
・国民年金の被保険者ではなかった20歳前に初診日があり、傷病により障害の状態になった方
・20歳に到達して被保険者資格を取得した月に初診日があり、傷病により障害の状態になった方
障害基礎年金の受給要件【事後重症による障害基礎年金】
障害認定日において障害等級(1級または2級)に該当する程度の障害の状態に無く、障害年金の受給権を得られなかった場合でも、
その後障害の程度が進み、65歳に到達する前日までに同一の障害により障害等級(1級または2級)に該当する程度の障害の状態に
なった場合、65歳に到達する前日までに請求することにより障害基礎年金を受給することができます。
請求するための要件は、以下の通りです。
要件① 初診日要件
内容は原則的な障害基礎年金と同じ。
要件② 保険料納付要件
内容は原則的な障害基礎年金と同じ。
事後重症による障害基礎年金の受給権起算日は請求日
事後重症による障害基礎年金は、その請求行為によって初めて受給権が発生するものです。
障害認定日以後、障害の程度が進み障害等級(1級または又は2級)に該当したとしても、請求日からしか受給権は発生しません。
従って、事後重症として障害基礎年金を請求する意思があるのであれば、障害等級(1級または2級)に該当後、できるだけ早期に
請求することが大切になります。
障害基礎年金の受給要件【基準障害による障害基礎年金】
障害等級(1級または2級)に該当しない程度の障害の状態にある者が、別の傷病にかかり、これにより従前の傷病とは別の障害(基準障害)が発生して、初めて障害等級(1級または2級)に該当する障害の状態になった時は、その複数の傷病を併合して発生した障害に対して障害基礎年金が支給されます。
なお、基準障害により初めて障害等級に該当したのが65歳到達前であれば(基準障害により障害基礎年金に該当)、請求は65歳到達日以降でも構わない点で、事後重症の障害基礎年金とは異なります。
さらに、事後重症による障害基礎年金は「申請日」からしか受給権が発生しないのに対し、基準障害による障害年金は、基準障害にかかる障害認定日に遡って受給権が発生する点も異なります。
要件① 初診日要件
ただし初診日にかかる傷病は、後発傷病(基準傷病)について問われます。
要件② 保険料納付要件
ただし保険料納付要件にかかる傷病は、後発傷病(基準傷病)について問われます。
要件③ 基準傷病(後発傷病)の初診日が先発傷病の初診日以降であること
要件④ 基準傷病にかかる障害認定日以後、65歳到達日の前日までに初めて障害等級(1級または2級)に該当したこと
20歳前の傷病による障害基礎年金
20歳前の者は国民年金の被保険者ではありません。
障害年金の受給要件には「初診日基準」があり、初診日において国民年金の被保険者であることが要件となっていますが、
20歳前の者は被保険者にななれず、受給資格はありません。というより受給資格を得ることは絶対にできません。
しかし国民福祉の観点から、このような場合でも特別に障害基礎年金を支給することが制度化されています。
20歳前の傷病による障害基礎年金は、その類型により2つのタイプに分類されます。
タイプ① 20歳前の傷病による障害基礎年金【当然支給型】
初診日において20歳未満であった者が、①障害認定日が20歳到達日以後の場合は障害認定日、②障害認定日が20歳到達前の場合は20歳到達日、に障害等級(1級または2級)に該当する障害の状態にあるときは、その者に障害基礎年金が支給されます。
タイプ② 20歳前の傷病による障害基礎年金【事後重症型】
初診日において20歳未満であった者が、20歳に到達した日(20歳以降に障害認定日が到来する場合は、障害認定日)以降、
65歳到達日の前日までの間に、初めて障害等級(1級または2級)に該当する程度の障害の状態になった場合、
65歳到達日の前日までに所外基礎年金を請求できます。
障害基礎年金の併合認定(併給の調整)
既に障害基礎年金の受給権を有する者に対し、更に障害基礎年金を支給する事由が生じた場合は、先発・後発それぞれに対して
障害基礎年金の受給権が発生するわけではなく、先発・後発の障害を併合した障害の程度による新しい障害基礎年金の受給権を取得します。
併合した結果、新しい障害基礎年金の受給権を取得した場合、従前の障害基礎年金の受給権は消滅します。
出典:厚生労働省 障害年金手続きガイド