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遺族年金の仕組み ~遺族基礎年金と遺族厚生年金の違い②~

両者の違い(続き)

年金額の違い

遺族基礎年金 遺族厚生年金
年金額(原則)

子のある配偶者または子に支給される遺族基礎年金額は次の通り

 

老齢基礎年金の満額 約78万円

死亡した者の被保険者期間を基礎とした老齢厚生年金(報酬比例部分)の4分の3相当額

※仮に平均標準報酬額30万円の被保険者期間25年の方の遺族厚生年金額は次の通り 

30万円×5.481/1000×300月×3/4≒ 約37万円

子の加算額 ・子のある配偶者について
 1、2人目の子の加算 224,700円/人
 3人目以降の子の加算  74,900円/人・子について 2人目の子の加算   224,700円/人
 3人目以降の子の加算  74,900円/人
子の加算の制度なし

※平均標準報酬額と被保険者期間別の遺族厚生年金の年間の支給額の目安は次の通りです。

平均標準報酬額 厚生年金の被保険者期間
25年 30年 35年 40年
10万円 約12万円 約15万円 約17万円 約20万円
20万円 約25万円 約30万円 約35万円 約40万円
30万円 約37万円 約44万円 約52万円 約59万円
40万円 約49万円 約59万円 約69万円 約79万円
50万円 約62万円 約74万円 約86万円 約99万円

上記計算式は全て簡易的に、平均標準報酬額×5.481/1000×被保険者期間の月数×3/4として計算しています。

原則的な金額計算の方法が異なり、基礎年金は老齢基礎年金のような保険料納付月数に応じての減額調整は無く、全員に定額(老齢遺族年金の満額)が支給されます。しかし、遺族厚生年金では被保険者期間の標準報酬額に応じた報酬比例の考え方が維持されるため、平均報酬額や加入期間によって個人個人で金額に差が生じることになります。

また、子の加算額の考え方も両者は全く異なり、遺族基礎年金では子の数に応じた加算額支給されますが、遺族厚生年金には子の加算額の考え方がありません。

遺族厚生年金のその他加算(子のない妻への配慮)

老齢基礎年金は「子育て年金」とも言われ、(一定の年齢の)子がいない場合は支給されないことは説明しました。しかし、夫に先立たれ生活の基礎を失った妻の生活を保護する必要性も高いと考えられるため、寡婦加算制度が設けられています。

中高齢寡婦加算
支給条件 年金額
1.夫が死亡したときに40歳以上65歳未満であって、遺族基礎年金の支給対象となる子がいない妻

2.40歳になった時点では子がいるため遺族基礎年金をもらっていたが、その後子が支給対象から外れたことで遺族基礎年金がもらえなくなった妻

つまり、40歳以上の妻で遺族基礎年金を受給できない者に対して遺族年金を補填する意味合いで支給されるものです。65歳になるまでの間支給されます。

約59万円

遺族基礎年金の4分の3

経過的寡婦加算
支給条件 年金額
1.中高年寡婦加算が支給された遺族厚生年金の受給権者である妻であって、65歳になり中高年寡婦加算が支給停止された者

2.65歳になって遺族厚生年金の受給権を取得した妻(夫の被保険者期間20年以上の要件あり)

ただし対象者は昭和31年4月1日以前生まれに限り、妻が65歳になってから支給されます。

妻の生年月日に応じて変動(若いほど金額が少ない)

(③に続く)

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