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9.232021
障害年金Q&A【障害年金の申請は1回で決めるのが肝要】
【問】障害年金の申請をしたいと考えています。基本的には自分で手続きしようと思っていますが、費用までかけて社労士に依頼するメリットは何でしょうか? |
【答】障害年金の申請は、もちろんご自身でも申請は可能です。専門知識を持つ社労士に依頼するメリットは、申請までの書類作成の負荷軽減、早期申請などがありますが、一番のメリットは「1回の申請で決める可能性があがる」ことにあります。
障害年金の申請は、仮に不支給決定となった場合でも、再チャレンジする再請求の手続きは可能です。その意味では、何度でも手続きする機会は認められていますが、申請する方の立場状況を考えると、初回の申請が極めて重要(1回目の申請で決める)といって過言ではありません。
何故か説明します。
障害年金の初回申請で提出した各種資料、例えば医師の診断書や、病歴就労状況等申立書などは、審査対象資料として慎重に点検されます。そこに記載された事項は、すべて審査対象となり審査実績として記録が残ります。診断書は医師が書くためみなさんは関与できないためか、診断書をに書かれた内容を点検もせず添付提出する方も多いのが現実です。しかしご自身の状況、特にADL(日常生活動作)などが自身の見立てと、医師の見立てとで解離していることもあります。些細なことと思うかもしれませんが、障害年金は書類のみで審査されますから、決して些細な事ではありません。障害年金専門の社労士であれば、そのような点も重要性を認識していますので、細やかなサポートを受けることができるでしょう。
初回の申請が極めて重要(1回目の申請で決める)の意味は、そもそも支給される程度の障害の状態であった場合、些細なミスで不支給決定になったとすると、その不利益が著しく大きいからです。
その① 審査請求・再審査請求のハードルが極めて高い
初回申請で不支給となり、その審査結果に納得ができない場合は、不服申立の手続きとして、審査請求、再審査請求という、2回の不服申立てが用意されています。しかし、不服申立てで審査結果を覆すのは極めて困難なのが現実です。そもそも審査・再審査する役所は、初回申請と同じ役所です。初回で不支給決定を下した審査結果を覆すだけの証拠を示さないことには覆りません。初回に提出した基本資料は差し替えできませんから、診断書に記載にミスがあった、申立書の記載に漏れがあった、は通じません。なので、初回申請時に提出する資料には細心の注意が必要なのですが、本人申請でそこまで目を配るのは難しいです。
その② 再請求の場合、認定日請求はできない(初回が認定日請求なら)
では、初回申請で不支給になったら仕方ない、再請求で再チャレンジすればいいじゃないかと思うかもしれません。確かに再申請はできますが、それは初回申請の不支給決定を容認したことも意味します。つまり初回申請と同じ状況で再申請することは認められないという事になります。
初回申請が、原則的な請求方法の「認定日請求」だったとしましょう。初診日から1年6か月経過した日が「障害認定日」ですが、障害認定日の診断書を取り、障害認定日の時点の障害の状態で審査されます。この方法を取ることで、障害年金は障害認定日に遡って支給されます。
仮に初回申請が不支給になった場合、再請求では、認定日請求は使えないという事になります。障害認定日の時点の障害の状態が否定された結果を、容認した事になるからです。
よって再請求は「事後重症請求」で行う事になります。これは、現在の障害の状態(診断書)で申請する手続きです。仮に支給決定されたとしても、認定日に遡って障害年金が支給されることはありません。
このように、そもそも支給される程度の障害の状態であった場合、初回申請を失敗すると、著しい不利益を被る事になります。障害年金は初回申請が肝要は、こうした点からのセオリーなのです。少しでも初回申請で通す可能性を上げるため、障害年金専門の社労士に依頼する方法があることを知ってください。