政府の日本成長戦略会議労働市場改革分科会は、労働市場改革の方向性に関するとりまとめ案を示し、大筋で了承されました。本案は夏にまとめる日本成長戦略に反映される見込みです。
とりまとめ案では、柔軟な働き方の実現に向けた労働時間法制の見直しと、戦略的なリスキリングの推進を柱としています。裁量労働制や変形労働時間制の具体的な見直しは、夏以降の労働政策審議会(労政審)に委ねられました。裁量労働制は健康確保などの濫用防止措置を前提とした対象範囲の見直しを、変形労働時間制は現場の実態や労働者の生活時間に留意した検討を求めています。さらに、連続勤務規制や勤務間インターバル、「つながらない権利」のあり方についても、労使双方の立場を踏まえて議論を進めます。
また、労働基準監督署による指導のあり方の見直しにも踏み込んでいます。現在は労使で36協定に特別条項を設けていても、時間外労働が月45時間を超える場合は削減指導が行われています。これに対し、労働者の健康確保措置や労使の合意に則った適切な指導が行われるよう、速やかに運用を見直す必要があると指摘しました。
リスキリングに関しては、AIや半導体などの戦略分野および医療・建設といった社会インフラ分野において、効果的な教育訓練プログラムの開発を推進します。新たな認定制度が創設された際は、各種教育訓練給付金の対象に加えることも検討すべきとしています。
(出典)労働新聞2026年6月4日記事