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11.122021
障害年金Q&A【ひきこもりと精神障害について】
【問】幼少期から人とうまくコミュニケーションを取ることができませんでしたが、学校(普通学級)には通っていました。社会人になっても回りとの人間関係に苦しみ、退職して今は仕事はしていません。ひきこもりのような状態になっています。最近になってはじめて病院にかかり「自閉症」と診断されました。障害年金の申請は可能でしょうか? |
【答】医師から自閉症(自閉症スペクトラム症)と診断された場合、障害年金を申請できる可能性があります。知的障害を伴うものか、伴わないものかによって、20歳障害となるか規定されています。
自閉症(自閉スペクトラム症)は発達障害の一種とされ、障害年金の対象となる精神疾患ですが、知的障害を伴うものか、伴わないものか、によって申請手順が変わってきます。
知的障害を伴うものであれば、初診日=出生日として扱われるため、20歳前障害の規定に基づき障害年金を申請することになります。
一方、知的障害を伴わないものであれば、発達障害の申請手順にもとづき、はじめて医師の診断を受けた日が初診日となります。(一般の障害年金と同じ)
質問の例で説明すると、もし自閉症が知的障害を伴う場合、初診日は出生日ですので、障害基礎年金(20歳前障害)を申請することが可能です。20歳障害ですから、保険料納付要件は問われません。
他方、もし自閉症が知的障害を伴わない場合、最近はじめて病院にかかった日が初診日となります。初診日に加入していた年金保険の制度によって、障害基礎年金か障害厚生年金か、どちらの制度で申請するか決まりますし、保険料納付要件も問われることになります。質問のケースでは、会社を退職した後に、はじめて病院にかかったとのことなので、(知的障害を伴わないなら)障害基礎年金を申請することになると考えられます。