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国民年金の仕組み1_国民年金の概要

国民年金制度の目的

国民年金法第1条には、次のとおりその制度目的が示されています。

(国民年金制度の目的)
第一条 国民年金制度は、日本国憲法第二十五条第二項に規定する理念に基き、老齢障害又は死亡によつて国民生活の安定がそこなわれることを国民の共同連帯によつて防止し、もつて健全な国民生活の維持及び向上に寄与することを目的とする。

国民年金法は、日本の全国民が共同連帯して国民全体でお互いを支えあうことを趣旨としています。
これは、憲法25条(生存権)を具現化したものとされます。
年金給付の原因となる事件は①老齢、②障害、③死亡の3項目で、それぞれ社会的な支えが必要とされるものです。
①老齢 = 老齢基礎年金
②障害 = 障害基礎年金
③死亡 = 遺族基礎年金

国民年金の運営体制

国民年金を運営する管掌者(保険者)の政府は、日本年金機構に①権限の委任、②事務の委託を行い、
日本年金機構が運営主体となり年金事務が行われています。
被保険者、受給者、事業主などの加入者等は、年金事務の窓口である日本年金機構に対して、各種申請や届け出を行います。
では、政府から日本年金機構に行われる①権限の委任、②事務の委託とは、具体的にどのようなことを言うのでしょうか?

権限の委任とは、政府の持つ権限を日本年金機構に委ねることをいい、権限そのものが政府から日本年金機構に移転します。
よって、日本年金機構は自己の名で(日本年金機構として)、政府の持つ権限を行使することができます。
(具体例)資格得喪の確認、滞納処分、届出・申請の受付、標準報酬額の決定、年金手帳の作成・交付など

これに対し、事務の委託とは、単に政府が本来行うべき事務を日本年金機構に託するだけのことで、
日本年金機構が事務を行いますが、自己の名では無く政府(厚労大臣名)の名で行います。
(具体例)裁定、年金給付事務、原簿への記録、ねんきん定期便の通知、納付の告知・督促など

 

 

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